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連鎖

 きのう、とあるホームセンターで、私はダイエット(?)の成果を測定する巻き尺を探していたのですが・・・。
 少し離れたところから、若くも老けてもいない女性の罵声が。「てめー、っせー(うるせー)んだよっ。××(←よく聞き取れなかった)してんじゃねーよっ。」
 びっくりして顔を上げると、5歳前後の男の子2人兄弟とその両親らしき夫婦。いわゆる「ヤンママ」という風情ではなく、5歳児の母親の年齢としては、ごく平均的かやや高め。で、母親がさらにもう一声。「いいかげんにしないと、殴るよっ。」
 母親は、激して感情的になっているという様子ではなく、その表情は無表情。横にいた兄弟の父親もまったく顔色を変えていません。子供たちは、ぴたっと静かに。なにごともなかったかのように。不気味・・・。

 普段、きっと殴っているんでしょうね。

 暴力が連鎖する現場を見てしまったようなやりきれない気持ちになりました。おそらくはこの母親も、そのまた親から暴力の鎖の輪を受けとってしまったのでしょう。そして、その親も連鎖の中にいたのでしょうから、彼女や彼女の親を責めたって問題の解決にならないことを、私も頭では理解しているわけですが、どうしても気持ちがついて行きません。自身に子どもがいないことと、なかなか大人として成熟しきれないことと、その両方に原因があるのだとは思うのですが。そして、もしかしたら、この2つは原因ではなく結果なのかもしれないのですけれど。

 先日読んだ玄田有史『希望学』(2006年 中公新書ラクレ)で引用されていた「子ども」という詩に感銘を受けたので、引用してみます。感銘を受けた、と言っても、そこに書かれているのはごくごくあたりまえのことなのですけれど。スウェーデンの中学校の社会科の教科書に掲載されていたもので、2005年に皇太子が誕生日の会見で紹介したことで有名になったものだそうですので、ご存じの方も多いかも知れないですね。
 ただ、この詩を紹介している『希望学』でも留保がつけられているのですが、このスウェーデンの教科書がさらに深いのは、末尾に課題がもうけられていること。なかなか手強い課題です。こちらも孫引きになりますが引用しておきます。
  「子ども」   ドロシー・ロー・ノルト

批判ばかりされた 子どもは
 非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子どもは
 力にたよることを おぼえる
笑いものにされた 子どもは
 ものを言わずにいることを おぼえる
皮肉にさらされた 子どもは
 鈍い良心の もちぬしとなる
しかし、激励をうけた 子どもは
 自信を おぼえる
寛容にであった 子どもは
 忍耐を おぼえる
賞賛を受けた 子どもは
 評価することを おぼえる
フェアプレーを経験した 子どもは
 公正を おぼえる
友情を知る 子どもは
 親切を おぼえる
安心を経験した 子どもは
 信頼を おぼえる
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じとることを おぼえる
(『あなた自身の社会——スウェーデンの中学教科書』より)

【課題】 あなたは、詩「子ども」のどこに共感しますか。激励や賞賛が良くないのはどんなときですか。この詩は、大人に対して無理な要求をしていませんか。両親が要求に対して応えきれないのはどんなときか、例を挙げましょう。

by thebrandywine | 2009-05-17 23:15 | その他いろいろ

茶太郎+ぴーこのおばかな日常: ぴ「うりゃー!」 茶「ぐぇぇぇ~」


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