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「ばっちい」と「ねこばば」

 【注意!】 お食事中の方は、以下の記事を読まないでくださいね。

 「ばっちい」とか「ばばっちい」という言葉は、日本語を母語として生まれ落ちた者にとっては、人生のごく初期に身につける言葉。骨の髄にその意味をたたき込まれ、母親の「だめっ、ばっちいでしょ!」という警告に脊髄反射を示すようになる。「飛翔体」とか「誤探知」といった、論理的にその意味を習得するタイプのことばではありません。

 私もそうでした。私はどちらかというと、語源などを聞くと何だかわかったような気になって得々とするタイプの人間ですが、「ばばっちい」を「ばば」+「接尾辞」に分解して考えたことはありませんでした。

 つい最近までは。

 きっかけは茶太郎です。茶太郎はたまーに、「意地汚い」さまを評して「根性ばば色」という言い方をします。結婚するまでは聞いたことのなかった言い方で、私の周りでこの表現を使うのは茶太郎だけです(ネットでざっくり見てみると、関西方面の人が使う表現のようですね)。ただ、聞いたことはなくても文脈から意味はわかるので、これまでその正確な語法や語源を追求しようというふうには思わなかったのですが、先日なぜかふと、「もしかして、『ばばっちい』って『ばば』+『ちい』なの? ばば色ってどんな色? まさか!?」という疑問がわいたのでした。

 で、手元の広辞苑(第5版)様におうかがいしてみたところ・・・。
ばば【糞・屎】
(幼児語)大便、またはきたないもの。浮世風呂(3)「湯の中へ——をたれて」。「ねこ——」

 見事に(?)ビンゴ!でした。しかも、「ねこばば」が「ねこ」の「ばば」で、同じ語源だったとは! (そういえば、畠中恵の「しゃばけ」シリーズの3冊目が『ねこのばば』でしたね。『しゃばけ』や『うそうそ』みたいに、中表紙裏に意味が書いてあれば、もう2年くらい早く意味が分かっていたのに!と悔しがってみる。)
ねこ・ばば【猫糞】
(猫が脱糞後、脚で土砂をかけて糞を隠すからいう)悪行を隠して知らん顔をすること。落とし物などを拾ってそのまま自分のものにしてしまうこと。浮き世床(初)「五日ばかり過ぎたら帰さうといふ筈が、今日で一月になるが——さ」。「——をきめこむ」

 なるほど、「ねこばば」は元来は、はたらく悪事の「内容」ではなくて、素知らぬ顔をしているというその「行為態様」のほうに重点があったんですね。

 この話をしたら、「そうか、"bullshit" じゃなくて "cat shit" なんだな」とは茶太郎の便、もとい、茶太郎の弁。(失礼!!!)

 しかし、こんなことを言うと、日頃から丹精しているお庭に猫の落とし物をされて腹を立てている方には怒られそうですが、猫ちゃんたちは、後ろ足でちゃんと砂をかけていくだけまだマシかもしれませんね。人間はといえば、ちゃんと砂をかけていかない、そもそも砂をかけなくちゃという発想すらない人たちが——老若問わず——あまりに目につきますから。まあ、私もその一員であるわけですが。

 「ねこばば」なんて言い方をされて、もしかしたら猫たちは怒っているかもしれません。

 以上、私自身の考察は何もなく、すべて辞書に書いてあることばかりで、しかも冷静に考えてみたらきっと世間の皆様はとうにご存じであろうと思われることばかりですが、自分の頭の中がつながって少しうれしかったので書いてみました。ちなみに、いくつか辞書にあたってみたところでは、 "bullshit" の "bull" は、「雄牛(bull)」とは語源が別のようです。
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by thebrandywine | 2009-04-05 12:36 | ことば

茶太郎+ぴーこのおばかな日常: ぴ「うりゃー!」 茶「ぐぇぇぇ~」


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