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転ばぬ先の杖――「ことわざソング」

 午後、何気なしにテレビをつけて、これまた何気なしにチャンネルを教育テレビに合わせたところ、「おかあさんといっしょ」をやっており、「ことわざソング」という歌が流れてきました。ユーモラスな具体例をあげて、そういうのをことわざで何というのかという問いかけをした後、「猿も木から落ちる」のようなことわざを紹介するというもの。全体として面白い歌なのですが、ひとつものすごく気になったことがありました。
 タイトルの「転ばぬ先の杖」もことわざとして登場するのですが、次のようなものがこのことわざの具体例として歌われていたためです(文言は正確ではないかもしれません)。
  • 雨が降る前に傘を差す
  • 芋を食べる前におならをする
  • おねしょをする前に布団を干す
 どれも、心配のあまりにタイミング無視の無意味な準備してしまうというこっけいさが前面に出てしまっています。結果的にぬれないですみそうな最初の「雨傘」の例はともかく、後二者は、「おなら」や「おねしょ」を防ぐ手段としては意味がなさそうですし。念の為、広辞苑をひいてみたところ、「失敗しないように、前以て用意をしておくこと」(第5版)と書いてあるだけで、歌で歌われていたような否定的な意味合いはやはりありませんでした。
 民放のバラエティか何かでタレントが誤解をして言い間違えたということなら、「まあ、目くじらたてないでも」と思わなくもないのですが、「天下のNHK」の「子ども向け教育番組」でこういうことがまかり通っているのは、かなりやばいんじゃないのと思いました。こうした番組の日本語に対する影響力は小さくないはずですので、ちゃんと責任と矜恃をもって取り組んでほしいと思います。
 「言葉や慣用句の意味合いが時代とともに変わっていくのは仕方のないことなのだ」と、常日頃、自分に言い聞かせるようにしているのですが(誤用がまかり通るのが性格的にイヤ。笑)、今回のような誤用が変化のきっかけになるのだとしたら、それはちょっとやだなあ。うんと将来の国語辞典の「転ばぬ先の杖」の項目に「ことわざソング」のような意味が載り、「(1)の誤用。NHKの番組がきっかけとなった」なんて解説がついちゃうのかしら。
 ちなみに、「転ばぬ先の杖+おかあさんといっしょ」で検索をかけてみたところ、同じ疑問を持っている方がたくさんいらっしゃるようで(そりゃそうだ)、「ことわざソング」がらみの記事がわんさとヒットしました。
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by thebrandywine | 2008-03-05 23:01 | ことば

茶太郎+ぴーこのおばかな日常: ぴ「うりゃー!」 茶「ぐぇぇぇ~」


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